唐木仏壇の金具と蝶番の修理

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唐木仏壇の金具と蝶番の修理

職人ブログ

2017/07/26 唐木仏壇の金具と蝶番の修理

以前にもご紹介したことがありましたが、今回見事な銅サビの緑青が出た金具を修理したので、改めてご紹介します。

 

出来れば、ここまで錆びる前にご連絡くださるといいのですが、修理する業者も分からないですよね。よく、見つけてくれました、これもご縁と思います。

 

サビ、特に緑青は釘から出ることが多いです。今回の様に湿気が多い場合や、仏壇を製造する以前の段階で、木から十分に塩分を抜いていなかったり、十分に乾燥させていなかったりすると、釘から錆びてきます。特に真鍮釘だと真鍮には銅が含まれますから緑青が出やすいです。

 

作業前

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まず、釘を抜いて金具を、木ネジを抜いて蝶番を外しますが、これが大変です。錆びた釘や木ネジは言うことを聞いてくれません。釘や木ネジの頭が取れたり、折れて一部が木部に残ってしまいます。

次に、溶液を使って錆を溶かしますが、緑青はお酢が有効です。ただ、溶液や酢に浸ける加減が難しく、浸けすぎると元気なメッキ部分も剥がれてしまったりします。

 

 

作業過程

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緑青を落としたところです。金具の端がポロポロで欠けてしまいました。
赤っぽいのは赤サビではなく、地金が出ている色です。
 

次に色付して取付ですが、先ほどの欠けた部分をどう処理するか、悩ましいところでした。
方法としては、新品に交換するのが一番いいのでしょうが、仏壇メーカーの問い合わせたところ、なんと近年作られるお仏壇にはこうした金具は付けていないそうです。つまり、この手の金具は生産されていないのです。改めて作ってもらえることはできるのですが、1本2~3万円は掛かるようです。
 

そこで、欠けた破片を裏側から貼り付けようとも思いましたが、綺麗にできません。そこで、欠けずに残った部分を思い切って切除して加工してしまいました。反対側の上部とは形状が違ってしまいますが、一見気づかない感じでうまく処理できました。
 

隠れない釘穴は埋めて、塗装をぼかして処理しました。
 

作業後

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お届けして、ご覧頂くと「新しい物を付けたのですか?」と言われましたが、言いえ修理・修復したものですと答えつつ、「内心やった!」と思う瞬間です。
 

最後に取付ですが、最初に書いたように、木部に残った釘や木ネジが新しい釘や木ネジの侵入を妨げます。
周囲を掘って取り除くこともありますが、穴が大きくなって埋めた後も塗装の処理が難しく、木部も傷みますし費用もかさみます。
多少、無理がありますが、細い釘や木ネジを使ったり、やや斜めに打ち込むことで取り付けます。よく見ると釘や木ネジの頭の径が違ったり、やや斜めに入っていることに気づきますが、ちょっと見では分からない程度です。
 
ちなみに、錆びにくい金メッキ釘を使って止めています。
以上 金具の錆落としと色戻しの作業の紹介でした。
 

お問い合わせは、まことみ堂 ☎03-6324-9100 または、問合せメールまで
 

 
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