表金具の色

今日の作業は、昨日の金仏壇の洗浄と修復の続きです。漆の剥がれた所を修復したり、紗（お障子)の張替をしました。

順調に作業が進んだので、少しお仏壇の産地を調べてみました。

改めてお仏壇を見ると、「輪灯を吊るすための可動式の軸」「軸開きの三方開」という特徴があって、どうも 富山県の高岡仏壇だとわかりました(昨日は、浜仏壇などと、いい加減なことを言いました)。

それと表金具の色が変わっていたので、高岡仏壇をさらに調べると、表金具の色がどうやら煮色（にいろ)と呼ばれる色のということがわかりました。
古いお仏壇ですから色落ちしていて、新品の時の確かな色はわかりませんが、薄茶色の独特な色です。間違いないと思われます。
煮色、変わった名前なので更に調べてみると、「煮色」読んで字のごとく、地金を煮て酸化させることによってできる色で、地金の組成により色は異なるようです。

さて、古くなった表金具の色戻しですが、地金に煮色をつけるなんて技術も費用も、まったくできない相談です。
でも、元の色を知ることで、その色に近い色付けができます。

でに、知ったおかげで明日の作業予定の色戻し、煮色に近い薄茶色に苦労しそうです。