大工さんが作られたお仏壇

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大工さんが作られたお仏壇

職人ブログ

2013/12/29 大工さんが作られたお仏壇

先日、行った施工で反省したお話しを少しします。

お仏壇は、所謂仏壇の製造メーカーが製造したものではなく、お客様がお知り合いの大工さんにお願いして作られた物でした。
シンプルな作りですが、写真でもわかるように、扉に組子を施した窓が作られていて、生意気ですが良くできたお仏壇だと思いました。
物がない時代だったのでしょうか、それでも手作りの温もりと大工さんのしっかりした技能を感じました。

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ご要望についてお受けした施工内容は、全体にきれい(洗浄・艶出し)にして、宮殿の背板の割れを塞ぐことと、扉の一部破損の修理、お障子紙の張替が主なものです。

簡単にお受けしたのですが、実は、私におごりがあったのです。
洗浄・艶出し。お障子の張替など、これまで培った経験と技能で十分にきれいにできると思っていました。ところが、いざ、とりかかってみると、簡単にはいきませんでした。

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苦労したのは、ニスの塗装です。ニスの傷みが激しく、お障子を張った糊がニスを侵食するなど、ムラになっていました。本来なら、お見積りの時にお洗濯をお 勧めしなければならなかったのに、その時点では、そのことは頭に浮かんでしませんでした。結果的には、いろいろ苦労してご満足はいただけましたが、最後ま で、自分自身、納得がいかない施工になりました。
次に、背板の割れです。最初は取り外せば簡単にできるとタカをくくっていたのですが、しっかり打ち付けてあり、下手に外すと躯体全体に影響がありそうで す。交換するにしても、反りや割れが起きないような一枚板とするには、将来的に割れや反りが出るリスクを避ける配慮が必要です。そこで、裏側から全体をか ぶせる様にべニア板を打ち付けて補強にして、内側からは金紙を貼って、割れを隠すとともに豪華さを加えました。

最後に、窓障子張替ですが、かなり古くに貼った障子紙を剥がした跡を目立たなくするのが大変でした。先程、書いたように糊によってニスが変化してしまって いました。なんとか目立たなくして、お障子を貼ろうと組子を見ると、なんと10㎝ほどの横木が、5mm程反っていました。この反りを補正するのに、今まで 使ったことのない工具を購入して、3週間もかかりました。

長くなりましたが、今回は、いい経験と勉強をさせていただいたことへの感謝と、自分のおごりに対する反省です。まだまだ、勉強して技能を磨いていかなければならないことを、ここに記録の意味を含めて書かせていただきました。

 

 

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