お仏壇の置き方 ～ その壱、向き ～

お客様からよく尋ねられることに、お仏壇の向き、方角、置き方、置く場所（部屋など）などがあります。
先日も同じご質問を受けたので、改めて整理しようと思います。

まずは、「向き」からです。
結論から言うと、「仏壇の向きはこちらの方角です」という決まりはありません。
なぜかと言えば、仏様は十方どの方角にもいらっしゃるので、仏壇はどの方角に安置してもよいはずです。
でも昔から「北向きに置いてはいけない」など、仏壇の向きには諸説ありますので、私の知っている三つの説と、宗派による違いを紹介します。参考に読んでみてください。

南面北座説

仏壇を南に向け、北を背にして仏壇を安置します。こうすると直射日光がお仏壇にあたらず、風通しも良いので、最適な安置場所だと思います。
ここから、仏壇の北向きはよくない、と言われるようになったのではと思います。私は、この方向に安置するのが、お仏壇を傷めないためにも、一番良いと思います。
お仏壇は木工製品です。湿気や直射日光は、カビが塗装をダメにしますし、板の反りや割れに繋がります。

本山中心説

仏壇の前に座ってお参りするとき、拝むその先に宗派の総本山がある方向に安置します。本山と住まいとの位置関係で、東西南北どの向きにもなります。

西方浄土説

西方浄土とは極楽浄土のことですので、西方浄土の方向に向かって拝めるように、仏壇を東向きに安置します。

宗派による違い

どの方向でもよいとご説明すると、ご納得いただけないお客様もおられますので、そんな時は、菩提寺の住職にお聞きになると良いのではとお話します。
私も何人かのご住職の方々からお聞きしたことです。

「曹洞宗」「臨済宗」　～南面北座説～

仏壇を南向きに置くことが多いようです。曹洞宗では、実際に場所や条件が合うようならば南向きに置くことを推奨しているそうです。

「真言宗」　～本山中心説～

真言宗は、本山に向かって拝まれるようです。

「浄土真宗」「浄土宗」「天台宗」　～西方浄土説～

仏壇を東向きに置かれることが多いようです。この三つの宗派は、阿弥陀如来を本尊としていますが、阿弥陀如来は西方浄土におられるとされているため、その方角に向かって拝むために仏壇は東向きとされています。

 お仏壇の置き方 ～ その弐、置く場所 ～ 、 お仏壇の置き方 ～ その参 気になる事 ～　

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